ライフサイエンスは生命及び生命現象全般を扱う科学として、基礎的な生物学から医薬や農学、生物工学、生物情報学(バイオインフォマティクス)など、数多くの分野が相互にゆるやかに結びつきながら発展してきました。1990年代後半からは、急速に進展したゲノムプロジェクトやポストゲノムプロジェクトにより大量の情報が産み出されるようになりました。それらライフサイエンスに関わる全ての情報-遺伝子やタンパクの配列情報や機能情報、疾患にかかわる発現データや多型情報、画像データ、文献情報など-は、それぞれ多種多様なデータベースに蓄積されていて、ライフサイエンス分野の知識はあたかもデータベースの形をしているといっても過言ではありません。このため、データベースをうまく使いこなすことが研究の進展を左右するといえます。 しかし実際の利用者からは「必要なデータベースが見つからない」「使い方がよくわからない」「組み合わせてより高度な解析を行いたい」など不便を訴える意見も多く、データベースを効率よく利用するための環境整備は充分ではありません。
文部科学省による統合データベースプロジェクト が平成19年度より本格的に立ち上がり、そういったデータベースを効率よく利用するためのインフラが整備されつつあります。
今回の講習会は、データベースを使いこなすための技術的な基礎知識から統合データベースの効率的な利用法について広く知ってもらうことを目的としています。また統合データベースを作成、維持管理していく仕事に関しても興味を持ってもらえるような内容になっています。
参加者全員がハンズオンでコンピュータを使いながらの講習になりますのでその点ご留意ください。
- 対象
- 日本大学生物資源科学部の学部3、4年生や大学院生、教員を始めとしたデータベースを効率よく利用することに興味のある方や統合データベースセンターに就職する興味のある方、統合データベースが実際にどのように作成、維持管理されているかに興味のある方
- 日時
- 2008年5月30日(金)午前10時~午後5時半
- 定員
- 約50名(応募者多数の場合は学生さんを優先させていただきます)
- 会場
- [日本大学生物資源科学部](http://www.brs.nihon-u.ac.jp/webadmin/map.html) 本館9階コンピュータルーム
- 費用
- 無料
- 持込
- 基本的にはコンピュータルームにあるWindowsマシンを使っていただきます。これらのマシンを使うためには各個人のユーザIDおよびパスワードが必要です。ユーザIDおよびパスワードについての詳細は[こちら](http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~momose/minfo/)を参照してください。 どうしてもユーザIDおよびパスワードがわからない方や自分のマシンを使いたいという方は持込も可能ですが、会場にLANケーブルが無いため各自ご持参下さい。
- 申込
- 氏名、所属、コンピュータ持込の有無、講習会参加希望の旨を明記の上、
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まで電子メールをお送りください。 - 主催
- 10:00-10:30 坊農秀雅(ライフサイエンス統合データベースセンター)「統合データベースプロジェクトとライフサイエンス統合データベースセンター」
- 10:30-12:00 中村保一(かずさDNA研究所)part 1: 自己紹介 【実習】まずは肩慣らし「検索使い倒し」
- 13:30 - 14:40 中村保一(かずさDNA研究所)part 2: ゲノム塩基配列と類似検索 【実習】配列情報へのアクセス、BLASTあれこれ
- 14:50 - 16:00 中村保一(かずさDNA研究所)part 3: 塩基配列の注釈入門と遺伝子構造予測 【実習】遺伝子発見ツール・スプライスサイト予測・BioMartでデータ取得
- 16:10 - 17:30 中村保一(かずさDNA研究所)part 4: 遺伝子機能予測とDB高度化 【実習】Interpro・GeneOntology・CyanoGenes・KazusaAnnotation