Eclipse (Varian Medical Systems) で利用できるDVH解析用のESAPIプラグインです。
Structure, DVHパラメータ(含入出力単位)を指定することでDVHの計算が可能です。
また、許容値を設定することで結果の判定が可能です。基準値内(Criteriaの値)の場合は緑、許容範囲内(Criteria +/- Tolerance)は黄、範囲外は赤になります。
CV/DCは
AAPM TG-263
で定義されている、低線量側のための指標です。
Ex1) CV10Gy[cc]: 当該Structureの10Gy以下の体積を絶対値で示します。
Ex2) DC0.1cc[Gy]: 当該Structureの最も線量の低い0.1 ccのうちの最大線量を示します。
Print
ボタンより、DVH解析結果の印刷が可能です。
(壽賀正城による実装)
一度作成したDVH項目はTemplateとして保存可能です。
保存したTemplateを読み込む際は、Templateに登録されたStructure名と、現在開いているPlanのStructure名のマッチングを行うことで柔軟な対応が可能です。
Export機能により、解析結果をCSVファイルとして出力することができます。
Templateの保存先、解析結果の保存先フォルダをSettings画面より設定可能です。
Visual Studioを利用するか、あるいはコマンドラインベースで DVHAnalyzer.csproj
をビルドして使用します。
ここでは、Visual Studioなしでビルドする方法について紹介します。
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MSBuild.exeを探す
お使いのEclipse端末から、MSBuild.exeというプログラムを探します。
通常は、C:\Windows\Microsoft.NET\Framework64\v4.0.30319\MSBuild.exe
に存在しています。 -
このリポジトリをダウンロードする
画面右上付近にある、Clone or Download という緑色のボタンからDownload ZIPなどを選択し、ローカル環境にダウンロードしてください。
ZIP形式でダウンロードした場合は適宜解凍し、Eclipse端末へコピーしてください。 -
コマンドプロンプトを立ち上げてビルドを実行する
手順2でZIP形式でダウンロードして解凍した場合、dvhAnalyzer-master
というフォルダができているかと思います。 その中にあるDVHAnalyzerというフォルダ内でコマンドプロンプトを立ち上げ、下記コマンドでビルドを実行します。
DVHAnalyzerフォルダを開いた状態で、アドレスバーにcmd
と入力するとその場所でコマンドプロンプトが立ち上がります。
C:\...\dvhAnalyzer-master\DVHAnalyzer> C:\Windows\Microsoft.NET\Framework64\v4.0.30319\MSBuild.exe DVHAnalyzer.csproj /p:Configuration=Release
Eclipse Ver. 15以降の場合
C:\...\dvhAnalyzer-master\DVHAnalyzer> C:\Windows\Microsoft.NET\Framework64\v4.0.30319\MSBuild.exe DVHAnalyzer_v15.csproj /p:Configuration=Release
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生成ファイルをEclipse Scriptが実行可能なフォルダに移動する
上記コマンドがうまくいくと、plugins
というフォルダにDVHAnalyzer.esapi.dll
というファイルが出来ているはずです。
こちらをEclipseのExternal Beam PlanningのToolbarにあるTools -> Scripts
で指定しているフォルダにコピーします。 -
Eclipseにて線量計算済みのプランを開いて実行する
以上です。
このプラグインは、Eclipse Ver. 13.7 で作成されています。
Ver. 11.0, Ver. 13.6, Ver. 13.7 および Ver. 15.1 でビルドおよび動作確認をしています。
Ver. 15以降の場合は、上記で使用している DVHAnalyzer.csproj
を DVHAnalyzer_v15.csproj
に読み替えてビルドを実行してください。
その他のバージョンの場合や、ビルドがうまくいかない場合、うまく動作しない場合は、emt-mediphys@euro-meditec.co.jp までお気軽にお問合せください。
遠山尚紀さん、深田恭平さん、藤田幸男さん、壽賀正城さん