/Kasumigasane-keypad

Simple 16-key keypad with a changeable frame.

MIT LicenseMIT

Kasumigasane (霞襲)

PCB Revision License: MIT

What is Kasumigasane?

Kasumigasane is a simple 16-key keypad that can be assembled without diodes.

Kasumigasane (霞襲) means "a layer of misty stuff", because it is made of layers of glass exposi substrates.

Kasumigasane2

Customizability

You can choose a frame from eight different patterns.

You can decorate the sides with 15mm wide masking tape.

The rightmost column and the lowermost row can use the 2U key.

The upper leftmost key can be replaced by a rotary encoder.

Backlight LED can be soldered.

Link

Hardware data (PCB)

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PCBの入手方法

パーツリスト

ビルドガイド

Short Story

キーの上に指を走らせる。画面に文字が浮かび上がり、文章が出力されていく。つくづく現代、キータイプという作業と仕事は切り離せない関係になった。私のような文筆業のものにとっては、尚更である。
キーボードは、ハードウェアと人間を繋ぐインターフェースのなかでもかなり原始的な部類のものだ。起源としては一八七三年に登場したタイプライターだが、日本語のワード・プロセッサーが登場したのは比較的最近の一九七九年。それでもおおよそ五〇年間、人間はこのデバイスと付き合ってきたと言っていい。
その中でキーボードは進化を遂げてきた。キーボードは極論、『打った内容を正確にハードウェアに伝える』——ただそのためだけの役割の道具だが、人間の手に最も長い時間触れるデバイスの一つである。
数々の高級キーボードが、進化の中で姿を現した。人間工学に配慮したもの、あるいは打鍵感を追求したもの、外見の高級感を備えたもの——近年では、自分に合うものをこそ自作しよう、という風潮まである。キーボードは簡単な電子回路と物理的接点、即ちスイッチがあれば実装できるデバイスでもある為だ。
キリのいいところまで原稿を進めて、左手を横にスライドさせる。
私は、目を走らせることなく、メインキーボードの横にあるキーを叩いた。——見ずとも打てるほどに慣れた配置。
そう。メインキーボードの横には、四×四のオーソリニア・レイアウトをしたテンキーが鎮座している。これもまた、件の自作キーボードの一つだ。ベースは黒の落ち着いた筐体。好みでキートップはチェッカーフラッグ様の配色としてある。
キー押下一つで、マクロが走り、エディタの校閲機能が起動、文章を精査する。——これも自作キーボードの魅力の一つだ。ユーザーがマクロ機能を作り込むことで、この小さなテンキーは作業効率を大きく変えうるワイルドカードとなる。
あぶり出された誤字と誤用を、テンキー操作でジャンプしながら修正していく。
明日も、明後日も、この小さな相棒は、私の手の左で、辣腕の執事のように活躍の機会を待っていてくれるだろう。
——このテンキーの名前は、霞襲(かすみがさね)。

Photos

Kasumigasane_photo_by_otahinosame

Photo by @otahinosame

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Photo by @k2___________