源ノ明朝・源ノ角ゴシック(以下、源ノフォント)を Adobe-Japan1 (以下、AJ1)フォントになるように組み替えた 「原ノ味フォント(原ノ味明朝、原ノ味角ゴシック)」 生成プログラムです。 CID の対応がとれないため抜けてしまうグリフがありますが、 素の pTeX / pLaTeX で和文フォントとして使う分には ほぼすべてのグリフが揃っています。
「原ノ味」というのは、 源ノフォントからグリフやテーブルが抜けていることを表すために 「氵(さんずい)」を取り、 AJ1 をもじって AJI にして 音から「味」という字をあてたものです。
- 原ノ味フォント生成プログラム
- 生成した原ノ味フォント
その他、以下のファイルも配布しています。
源ノフォントは Adobe-Identity0 (以下、AI0)の Pan-CJK フォントで日本語以外にも対応しています。 一方で AJ1 だと日本語専用になってしまいますが、
- pTeX / pLaTeX で比較的簡単に使うことができる
- pTeX / pLaTeX で源ノフォント(AI0 フォント)を使うのは少々難しいです
- PDF に埋め込む際に ToUnicode CMap が必要ない
- AI0 だと ToUnicode CMap を用意して PDF に埋め込んでおかないと
PDF からテキスト抽出できない
- AI0 フォントの cmap テーブルから ToUnicode CMap を生成するには 逆変換が必要
- 逆変換すると重複が問題になりテキスト抽出で意図しない文字に化ける ことがある
- AJ1 だと PDF ビュアーがあらかじめ持っている CMap を使うことで
PDF からテキスト抽出できる
- 逆変換の問題が発生しないように調整されたものなので
意図しない文字化けが発生しにくい
- dvipdfmx / xdvipdfmx は AJ1 なら ToUnicode CMap を生成せず 埋め込みもしないため文字化けが発生しにくくなります
- ただし LuaTeX は AJ1 でも逆変換で ToUnicode CMap を 生成して埋め込むため一部で文字化けが発生することがあるようです → PDF から ToUnicode CMap を削除するツール で原ノ味フォントの ToUnicode CMap を削除することもできます
- 逆変換の問題が発生しないように調整されたものなので
意図しない文字化けが発生しにくい
- AI0 だと ToUnicode CMap を用意して PDF に埋め込んでおかないと
PDF からテキスト抽出できない
- 文字幅の食い違いが発生しない
- 源ノフォントは AI0 なので、文字幅について明確な決まりが無く、 JFM の文字幅と食い違ってしまい、 dvipdfmx で後続文字の位置がズレるなど、 組版結果がおかしくなることがあります。
- 原ノ味フォント 20190824 以降は AJ1 に従った文字幅にしているので、 後続文字の位置がズレることはありません。
といったメリット?があります。
源ノフォントが搭載しているグリフ、かつ、 AJ1 への対応が取れたものを搭載します。
- 漢字
- Adobe-Japan1-6 漢字グリフはすべて搭載
- <U+6CE8 U+E0102> (AJ1 CID+12869) ルビ用の「注」は非搭載
- これは AJ1 の「漢字グリフ」範囲外で漢字扱いではありません。
- <U+6CE8 U+E0102> (AJ1 CID+12869) ルビ用の「注」は非搭載
- JIS X 0208、JIS X 0213 の全漢字グリフを搭載
- Adobe-Japan1-6 漢字グリフはすべて搭載
- 非漢字(ひらがな、カタカナ、英数字、記号類など)
- JIS X 0208 横書きグリフはすべて搭載
- JIS90 字形(CMap file
H
を使った場合)すべて搭載 - JIS2004 字形(CMap file
2004-H
を使った場合)すべて搭載
- JIS90 字形(CMap file
- JIS X 0208 縦書きグリフは以下の 4 グリフを除きすべて搭載
- JIS90 字形(CMap file
V
を使った場合)‖
01-34 U+2016 'DOUBLE VERTICAL LINE' (AJ1 CID+7895)
- JIS2004 字形(CMap file
2004-V
を使った場合)‖
01-34 U+2016 'DOUBLE VERTICAL LINE' (AJ1 CID+7895)°
01-75 U+00B0 'DEGREE SIGN' (AJ1 CID+8269)′
01-76 U+2032 'PRIME' (AJ1 CID+8273)″
01-77 U+2033 'DOUBLE PRIME' (AJ1 CID+8283)
- JIS90 字形(CMap file
- JIS X 0213 の非漢字グリフには抜けているものがあります。
- その他 Adobe-Japan1-6 非漢字グリフには抜けているものがあります。
- JIS X 0208 横書きグリフはすべて搭載
抜けているグリフのCIDにはダミーグリフ
(.notdef と同じで四角の中に×が入ったような形)が入っています。
上記で具体的に記載した非搭載グリフ(ルビ 1 グリフ、非漢字縦書き 4 グリフ)は
いずれも源ノフォントが搭載していないため原ノ味フォントに搭載できないものです。
H
, V
は
Adobe が配布する CMap file
で、TeX Live などにも含まれています。
2004-H
, 2004-V
は
Japanese TeX Development Community が配布する CMap file
(のようなもの)
で、TeX Live にも含まれています。
非漢字の搭載グリフの一部で、 源ノフォントの文字幅が AJ1 の文字幅に合わなくて、 強制的に AJ1 に合わせたものがあります (AJ1 でプロポーショナル幅とされているグリフは変更していません)。 さらに、単純に幅を上書きするだけでなく、 グリフによって**寄せなどの位置調整を行っていますが、 幅が広くなったグリフは隙間ができますし、 幅が狭くなったグリフは左右がはみ出て前後の文字と重なるなどの現象が発生し、 不格好な表示になることがあります。 とはいえ、幅としては正しくなっているため、 後続文字の位置がズレるなどといった、組版への影響は発生しません。 以下に該当のグリフを示します。
- ギリシャ文字
- キリル文字
¨
AJ1 CID+647 U+00A8 'DIAERESIS'°
AJ1 CID+707 U+00B0 'DEGREE SIGN'´
AJ1 CID+645 U+00B4 'ACUTE ACCENT'′
AJ1 CID+708 U+2032 'PRIME'″
AJ1 CID+709 U+2033 'DOUBLE PRIME'‼
AJ1 CID+12111 U+203C 'DOUBLE EXCLAMATION MARK'⁇
AJ1 CID+16278 U+2047 'DOUBLE QUESTION MARK'⁈
AJ1 CID+16279 U+2048 'QUESTION EXCLAMATION MARK'⁉
AJ1 CID+12112 U+2049 'EXCLAMATION QUESTION MARK'ℓ
AJ1 CID+8025 U+2113 'SCRIPT SMALL L'№
AJ1 CID+7610 U+2116 'NUMERO SIGN'−
AJ1 CID+693 U+2212 'MINUS SIGN'✓
AJ1 CID+16270 U+2713 'CHECK MARK'
以下については、源ノフォントでは幅がゼロの合成用グリフですが、 AJ1 で全角幅の CID に割り当たったため、幅を全角幅で上書きしています。 そのため、不格好な表示になることがあります。
- AJ1 CID+16328 U+20DD 'COMBINING ENCLOSING CIRCLE'
- AJ1 CID+11035 U+20DE 'COMBINING ENCLOSING SQUARE'
- AJ1 CID+11035 は原ノ味明朝は未搭載、原ノ味角ゴシックのみ搭載
- AJ1 CID+16326 U+3099 'COMBINING KATAKANA-HIRAGANA VOICED SOUND MARK'
- AJ1 CID+16327 U+309A 'COMBINING KATAKANA-HIRAGANA SEMI-VOICED SOUND MARK'
また、ダミーグリフは全角幅ですが、 これも AJ1 の文字幅で上書きしています。
源ノフォントと異なり比較的簡単に使うことができます。 フォントファイルとマップファイルを適切に配置すれば普通に使えます。 ただし搭載しない(抜けている)グリフを使うことはできません。
- OTF パッケージを使わない場合
- JIS90 字形(マップファイル
ptex-haranoaji.map
を使った場合)- 横書きは全グリフ使えます。
- 縦書きは 1 グリフ
‖
だけ使えません。
- JIS2004 字形(マップファイル
ptex-haranoaji-04.map
を使った場合)- 横書きは全グリフ使えます。
- 縦書きは 4 グリフ
‖
,°
,′
,″
使えません。
- JIS90 字形(マップファイル
- OTF パッケージを使う場合
- Adobe-Japan1-6 全漢字グリフから CID 直接指定などで
呼び出すことができます。
- AJ1 CID+12869 (ルビ用の「注」)は使えません。
- 非漢字(ひらがな、カタカナ、英数字、記号類など)には 使えないグリフもあります。
- Adobe-Japan1-6 全漢字グリフから CID 直接指定などで
呼び出すことができます。
詳細は「搭載グリフ」も参照してください。
ipsj.cls の場合は下記のマップファイル
rml H HaranoAjiMincho-Light.otf
gbm H HaranoAjiGothic-Regular.otf
futomin-b H HaranoAjiMincho-Regular.otf
futogo-b H HaranoAjiGothic-Medium.otf
を使い、クラスオプションから submit
を外すと
本物っぽくなると思います
。
まず、源ノフォントの OTF ファイルを ttx で xml にし、 C++ で xml や CMap などから CID の対照表を作り、 C++ や sed で変換、 最後に再び ttx で OTF ファイルを生成する、という方法を採っています。
- ttx
- C++11 対応コンパイラ
- g++ 4.9 以降など
- pugixml
- Python3
- GNU Make
- sed
- その他 sh など
download
ディレクトリを掘り、以下のファイルを置いてください。
- 源ノフォント Region-specific Subset OTFs 日本語版
- 源ノ明朝
- SourceHanSerifJP-ExtraLight.otf
- SourceHanSerifJP-Light.otf
- SourceHanSerifJP-Normal.otf
- SourceHanSerifJP-Regular.otf
- SourceHanSerifJP-Medium.otf
- SourceHanSerifJP-Bold.otf
- SourceHanSerifJP-Heavy.otf
- 源ノ角ゴシック
- SourceHanSansJP-ExtraLight.otf
- SourceHanSansJP-Light.otf
- SourceHanSansJP-Regular.otf
- SourceHanSansJP-Medium.otf
- SourceHanSansJP-SemiBold.otf
- SourceHanSansJP-Bold.otf
- SourceHanSansJP-Heavy.otf
- 源ノ明朝
- 源ノフォント Resources の一部ファイル
- 源ノフォントの JIS X 0208 mapping ファイル
-
Adobe-Japan1-6 vs Source Han
から
JISX0208-SourceHan-Mapping.txt
(本文中最初のパラグライフの最初の文中 maping file と と書いてあるところにリンクがあります)
-
Adobe-Japan1-6 vs Source Han
から
- CMap
- UniJIS2004-UTF32-H
- AJ1-7 の GSUB 情報
-
The Adobe-Japan1-7 Character Collection
から
aj17-gsub-jp04.fea
(GSUB ディレクトリにあります)
-
The Adobe-Japan1-7 Character Collection
から
注意:
aj16-kanji.txt
は明朝とゴシックでファイル名が同じですが中身は異なります。
このファイルだけ明朝・ゴシック別のディレクトリに配置してください。
その他のファイルはすべて同じディレクトリに配置してください。
make
で生成できます。
源ノフォントは Adobe-Identity0 (AI0) のフォントであり、 CID の並び方が Adobe-Japan1 (AJ1) とは異なります。 そのため AJ1 化するためには AI0 CID → AJ1 CID 対照表が必要となります。 源ノフォントは日本語用 (Region-specific Subset OTF) であっても、 2 万近い数のグリフがあるため、人手で対照表を作っていたら大変です。 そこで、自動的に対照表を作るようにしています。
源ノフォントをはじめとする OpenType フォントには
cmap テーブルというものが入っていて、
Unicode から CID へ変換ができるようになっています。
源ノフォントは AI0 フォントなので、
Unicode → AI0 CID
の変換となっています。
一方 Adobe は CMap file を配布していて、
このうち UniJIS2004-UTF32-H
というファイルは、
Unicode → AJ1 CID
の変換表になっています。
本プログラムでは、 源ノフォントの cmap テーブルから逆変換して、 AI0 CID → Unicode とし、さらに CMap file による変換を重ねて、 AI0 CID → Unicode → AJ1 CID という変換にすることで、 AI0 CID → AJ1 CID の対照表を作っています。 本プログラムで参照している cmap テーブルは format 12 で Unicode 全域を含んでいるもの、 CMap も UTF-32 用のものを使用しているため、 BMP 外のグリフも紐づけることができています。
cmap テーブルは、本来 Unicode → AI0 CID の変換テーブルであるため、複数の Unicode が 同一の CID にマップされているものがあります。 ここから逆変換すると、一つの AI0 CID から 複数の Unicode に変換できることになってしまいますが、 逆変換表を作るにあたっては一つに絞る必要があります。 本プログラムでは基本的に Unicode のコードポイントが小さい方を優先として、 dvipdfmx の ToUnicode CMap 生成を参考に、 部首などのブロックの優先度を下げるようにしています。 この方法にはブロックごとの優先度を調整するなど改良の余地があるかもしれません。
CMap file は逆変換不要ですが、 やはり複数の Unicode が同一の CID にマップされているものがあります。 この際、別々の AI0 CID が別々の Unicode にマップされていても、 CMap file によって 最終的に同じ AJ1 CID になってしまうケースが発生します。 その場合には、それぞれの AI0 CID に対応した Unicode のコードポイントを使い cmap テーブルの逆変換と同様の方法で優先する方を決めています。 なお、源ノフォントは JIS2004 字形のフォントということなので、 CMap file には JIS2004 用のものを使用しています。
cmap テーブルの format 12 には
横書き用のグリフしか登録されていませんし、
UniJIS2004-UTF32-H
も横書き用ですので、
縦書きのグリフは対応が取れずに失われます。
また、cmap format 12 も CMap file も異字体セレクタの情報がありませんから、
異字体セレクタを要するグリフも対応が取れずに失われます。
cmap テーブルと CMap file による方法は源ノフォントに限らず、 AI0 の OpenType フォントであればどのフォントでも使うことができる方法です。 しかし、この方法では異字体に対応することができません。 フォントの cmap format 14 を読み込むことで、 異字体セレクタを使った Unicode → AI0 CID の変換表を得ることはできるのですが、 異字体セレクタを使った CMap file が無いので、 異字体セレクタを使った Unicode → AJ1 CID の変換ができません。
でも、源ノフォントには aj16-kanji.txt
という、
AJ1 CID と源ノフォントのグリフ名の対応表が配布されています。
さらに AI0-SourceHanSerif
AI0-SourceHanSans
という、
AI0 CID と源ノフォントのグリフ名の対応表も配布されています。
これらをつなげれば
AI0 CID → AJ1 CID
の対照表が作れます。
ただし、残念ながら漢字しか含まれていません。
非漢字、すなわち、ひらがな・カタカナ・英数字・記号類などについては、
この方法では対照表が得られないということです。
漢字だけと言わずに非漢字の対応表も作ってくれていれば簡単だったのですが。。。
とはいえ、グリフ数の大部分は漢字ですから、
この方法でかなりカバーできているはずです。
前節で非漢字の対応表が無いと書きましたが、 原ノ味フォントを作ってしばらくしたら JIS X 0208 の範囲での対応表を作っていただいてしまい 、その後アップデートされて JIS90 のグリフも追加されました 。 漢字グリフは元々すべて AJ1 との対応が取れていましたが、 これで JIS X 0208 の範囲に限り非漢字グリフについても AJ1 との対応が取れます (ただし縦書きは入っておらず横書きのみのようですしルビなども無さそうです)。 この範囲は元々 Unicode を介した変換でも対応できていましたが、 ちゃんとした対応表があるならそれを使った方がよいので、 利用させていただくことにしました。
源ノフォントに含まれる GSUB
テーブルから、
縦書き用の OpenType feature である vert
の部分を読み込むことで、
源ノフォントの横書き用・縦書き用 AI0 CID の対照表が得られます。つまり、
横書き用 AI0 CID →縦書き用 AI0 CID
という変換ができるので、これの逆変換となる
縦書き用 AI0 CID →横書き用 AI0 CID
を作ります。ここに、これまで作った対照表を重ねると、
縦書き用 AI0 CID →横書き用 AI0 CID →横書き用 AJ1 CID
という変換ができます。
AJ1-7 の GSUB が入手可能です。
このファイルから vert
をパースすると横書き用・縦書き用 AJ1 CID
の対照表が得られるので、これをさらに重ねることで、
縦書き用 AI0 CID →横書き用 AI0 CID →横書き用 AJ1 CID →縦書き用 AJ1 CID
となって、縦書き用の対照表を作ることができます。
縦書き vert
以外にも、CID が 1 対 1 で対応している
fwid
, hwid
, pwid
, ruby
についても同様の方法で
対照表を作ることができます。
さらに、1 回これをやって AI0 CID → AJ1 CID の対応を増やしてから、
もう 1 回同じことをするとさらに対応付けできる CID の数が増えるため、
2 回実施しています。
さらに対照表を充実させる方法も検討しています。
縦書き vert
など CID が 1 対 1 で対応している OpenType feature
については対照表の作成ができていますが、
1 対 1 対応でないものについても対照表が作れないか考えています。
現状は、源ノフォントの AI0 CID を出発点として 関連のあるものを辿って AJ1 CID を見つけるというロジックにしています。 しかし、これでは対応が取れない AJ1 CID がどうしても出てきてしまいます。 そこで、対応が取れていなかった AJ1 CID について AJ1 の 逆変換 CMap である Adobe-Japan1-UCS2 を使い、 AJ1 CID → Unicode の変換をしてから源ノフォントの cmap を辿ることで、 AJ1 CID → Unicode → AI0 CID が得られるはずです。 この方法なら、今まで対応が取れていなかった AJ1 CID について 何かしらのグリフを割り当てることができるはずです。
ただし、 Adobe-Japan1-UCS2 は横書き用か、縦書き用か、ルビ用かなどの 情報が失われてしまうため、もしかしたらふさわしくないグリフを 割り当ててしまうかもしれません。 また、この方法だとどこか別の AJ1 CID に割り当て済の AI0 CID を 再度重複して割り当てなければならなくなる可能性が高いと思っています。 一つの AI0 CID を複数の AJ1 CID に割り当てなければならないとなると、 単純に CID を書き換えるだけでは済まなくて、 複製が必要となり難易度が高くなります。
ほとんどのテーブルを変換しています。
何も変換せずにそのまま流用しています。
name
用の変換プログラムで
名称などを変更しています。
cmap
用の変換プログラムで
CID をすべて AI0 CID から AJ1 CID に変換しています。
対照表が作れずに対応が不明な AI0 CID は削除しています。
format 14 も変換するようにしたため異字体セレクタを使うことができます。
ttx の出力で中身が無かった format 6 は削除しています。
これは本当に中身が無いのか ttx が format 6 のパースに対応していないのか、
どちらなのかはわかりません。
CFF
用の変換プログラムで
CID をすべて AI0 CID から AJ1 CID に変換しています。
対照表が作れずに対応が不明な AI0 CID は削除しています。
フォントやサブフォントの名称も変更しています。
欠けている AJ1 CID についてはダミーグリフとして
.notdef の内容をコピーしています。
原ノ味フォント 20200215 から、 横幅を上書きしたグリフについて CharString を書き換え、 左右の位置を調整するようにしています。 これは @h20y6m さんのコードによるものです。
hmtx
, vmtx
用の変換プログラムで
CID をすべて AI0 CID から AJ1 CID に変換しています。
対照表が作れずに対応が不明な AI0 CID は削除しています。
欠けている AJ1 CID についてはダミーグリフとして
.notdef の内容をコピーしています。
原ノ味フォント 20190824 から、
源ノフォントの横幅と AJ1 の横幅が食い違ったグリフについて、
hmtx
に AJ1 の横幅を上書きしています。
AJ1 がプロポーショナル幅の場合は上書きしません。
VORG
用の変換プログラムで
CID をすべて AI0 CID から AJ1 CID に変換しています。
対照表が作れずに対応が不明な AI0 CID は削除しています。
原ノ味角ゴシック向けに GDEF
用の変換プログラムで
CID をすべて AI0 CID から AJ1 CID に変換しています。
対照表が作れずに対応が不明な AI0 CID は削除しています。
なお、源ノ明朝には GDEF
が存在しないため、
原ノ味明朝向けには変換せず GDEF
は存在しません。
GPOS
用の変換プログラムで
CID をすべて AI0 CID から AJ1 CID に変換しています。
対照表が作れずに対応が不明な AI0 CID は削除しています。
GSUB
用の変換プログラムで
CID をすべて AI0 CID から AJ1 CID に変換しています。
対照表が作れずに対応が不明な AI0 CID は削除しています。
AJ1 用の GSUB 定義を持ってきているわけではなく、
あくまでも源ノフォントの GSUB を変換しています。
とはいえ、「びゃん」や「たいと」などは AJ1 には無いので対応できません。
必須テーブルではないため削除しています。 このテーブルを変換する必要はないと思っています。
-
- 横幅を上書きしたグリフについて、**揃えにするなどの位置調整をしました
- バージョンアップ
- ttx 4.3.0, UniJIS2004-UTF32-H 1.021
- 前の 20190824 では UniJIS2004-UTF32-H のバージョンが 1.020 のまま変わっていない状態でビルドしていました
- UniJIS2004-UTF32-H 1.020 から 1.021 への変更により、 原ノ味明朝では AJ1 CID+127 が増え、 原ノ味角ゴシックでは AJ1 CID+127 が紐づくグリフが変更 (AI0 CID+253 から AI0 CID+247)になっています
- ttx 4.3.0, UniJIS2004-UTF32-H 1.021
- グリフ数
- 原ノ味明朝:16679
- 原ノ味角ゴシック:16684
- 上記 UniJIS2004-UTF32-H のアップデートに伴い、 原ノ味明朝で 1 グリフ増えています
-
- グリフの横幅を AJ1 の定義に従うようにしました
- これまで一部のグリフで AJ1 の横幅と食い違っているものがあり、 後続文字の位置がズレて組版結果がおかしくなる ことがありました。
- 単純に横幅を上書きしただけなので、 該当のグリフを使うと、左に寄って表示されたり、 前後の文字に重なったり、不格好な表示になることがありますが、 他のグリフの位置には影響を及ぼさなくなっているハズです。
- AJ1-7 の GSUB 情報
- AJ1-7 の GSUB 情報が公開されたので、 それを利用するようにしました。
- バージョンアップ
- ttx 4.0.0,
UniJIS2004-UTF32-H 1.021- UniJIS2004-UTF32-H は 1.020 のままでした(20200215 追記)
- ttx 4.0.0,
- グリフ数
- 原ノ味明朝:16678
- 原ノ味角ゴシック:16684
- カウント方法を変更しましたが、数は同じです。
- グリフの横幅を AJ1 の定義に従うようにしました
-
- フルセットフォント化
- これまで AJ1 CID で抜けているグリフは欠番にする 「サブセットフォント」にしていました。 これをダミーグリフを入れることにより CID に欠番のない 「フルセットフォント」にしました。
- 通常の AJ1 フォントはフルセットフォントなのに対して、
サブセットフォントだと一部挙動が異なるソフトウェアが
あるようなのでフルセットに変えることにしました。
- サブセットフォントだと CID ≠ GID になるのですが、 これが原因で かなり特殊なことをしようとすると変になる ことがあるようです。普通に使う分には問題ありませんでした。
- これまでは欠番 CID を使用しようとすると警告が出ていたような ツールでもフルセット化により警告が出なくなります。 無警告でダミーグリフが使われることで 意図しない結果になる恐れがあります。ご注意ください。
- 原ノ味明朝は Adobe-Japan1-7 を名乗っていますが、 CID+23058, CID+23059 が無いので実はサブセットフォントです。 ただし、AJ1-6 の範囲は(ダミーを含めることで)すべて埋まっていて CID = GID なので、これが原因で変になることはありません。
- バージョンアップ
- ttx 3.41.0
- グリフ数
- 変わってないはずですが、 ダミーグリフの影響でグリフ数を数えるのが難しくなりました。。。
- フルセットフォント化
-
- Adobe-Japan1-7 に対応
CFF
テーブルの ROS を Adobe-Japan1-7 に変更しました。- あわせて Adobe-Japan1-7 で追加されたグリフの GSUB 情報を 使うようにしました。
- 源ノ角ゴシック 2.001 に対応
- ベースとなる源ノ角ゴシックを 2.000 から 2.001 に変更しました。
- これにより「令和」の合字 (U+32FF) に対応、
横書き (AJ1 CID+23058) 縦書き (AJ1 CID+23059) とも搭載。
- 原ノ味角ゴシックのみです。
- 原ノ味明朝も Adobe-Japan1-7 フォントになりましたが 源ノ明朝が搭載しないため搭載していません。
- 原ノ味角ゴシックのグリフ数は 1 グリフしか増えませんでした。 これは源ノ角ゴシック 2.000 にはダミーのグリフが含まれており 原ノ味角ゴシックにもダミーの横書きグリフが含まれていたためです。 今回のバージョンアップで、横書きグリフはダミーから 正式なグリフに変更になったためグリフ数が増加せず、 縦書きは追加の GSUB 情報で紐づけができるようになり グリフ数が増加したものです。
- バージョンアップ
- 源ノ角ゴシック 2.001
- ttx 3.40.0
- グリフ数
- 原ノ味明朝:16678
- 原ノ味角ゴシック:16684
- Adobe-Japan1-7 に対応
-
- 異字体セレクタ に対応
- cmap format 14 を変換するようにしたため 異字体セレクタを使うことができるようになりました。
- OpenType feature に対応
GDEF
,GPOS
,GSUB
を変換するようにしたため OpenType feature を使うことができるようになりました。
- JIS X 0208 グリフに対応
- JISX0208-SourceHan-Mapping.txt 2019-03-14
- 元々この範囲のグリフには対応できていましたが、 マッピングファイルを作っていただいたのでそれを使って 生成するようにしました。 本件によるグリフ数の増加や変更はありません。
- pTeX / pLaTeX 用マップファイルを配布
- 各種 TeX 用テストファイルもあります。
- バージョンアップ
- ttx 3.39.0
- グリフ数
- 原ノ味明朝:16678
- 原ノ味角ゴシック:16683
- 異字体セレクタ に対応
-
- 縦書きなどのグリフに対応
- OpenType feature
fwid
,hwid
,pwid
,ruby
,vert
を読み込んで対応付けするグリフを増やしました。 ただし OpenType feature そのものには対応していませんので、 今回追加されたグリフにアクセスするには CID を直接指定する、 V 系の CMap ファイルを経由する、 などの必要があります。
- OpenType feature
- グリフ数
- 原ノ味明朝:16678
- 原ノ味角ゴシック:16683
- 縦書きなどのグリフに対応
-
- Adobe-Japan1-6 全漢字グリフに対応
- 異字体セレクタや OpenType feature には対応していませんので、 今回追加されたグリフにアクセスするには CID を直接指定する必要があります。
BASE
,VORG
,vhea
,vmtx
テーブルを追加- グリフ数
- 原ノ味明朝:16425
- 原ノ味角ゴシック:16429
- Adobe-Japan1-6 全漢字グリフに対応
-
- 初版
- 源ノ明朝 1.001、源ノ角ゴシック 2.000
- ttx 3.38.0, UniJIS2004-UTF32-H 1.020
- グリフ数
- 原ノ味明朝:15213
- 原ノ味角ゴシック:15215
- 初版
Copyright (C) 2019, 2020 Masamichi Hosoda
生成プログラムのライセンスは BSD 2-Clause です。 生成したフォントは源ノフォントの派生フォントになるため SIL Open Font License 1.1 です。