MDBP(MarkDown-Book-Preview)は書籍の原稿作成に適したMarkdownプレビューの機能拡張です。 Vivliostyleと組み合わせて書籍の体裁で表示し、原稿データをInDesign向けのXMLファイルとして書き出す機能を持ちます。
『Web技術で「本」が作れるCSS組版 Vivliostyle入門』(リブロワークス著,Vivliostyle監修,C&R研究所2023年5月刊)のために作成した,vivliosytle-cli-helperに,独自機能を盛り込んだものです。
- 組版用CSSによって書籍のリアルタイムプレビュー,PDF書き出しを行える
- 置換リストを使用してHTML変換後にテキスト置換を行える。これはMarkdownの不足を補うために使用する
- 画像ファイル名にsvgimgという拡張指定を追加すると、スクリーンショットの拡大縮小やトリミングが行える
- 簡易的にソースコードに行番号を振る機能を加えている
- Adobe InDesignの構造ウィンドウで読み込み可能なXMLファイルを書き出せる
-
Vivliostyle CLIの実行に必要なNode.jsをインストールします。バージョン16以上の安定版をインストールしてください。
Node.js日本語ページ -
ターミナルから以下のコマンドを実行してVivliostyle CLIの最新版をインストールします。これはMDBPの右クリックメニューからも実行できます。
npm install -g @vivliostyle/cli
- VSCodeでフォルダーを開いてください。そこがWebサーバーのルートになります。
- フォルダー内のMarkdownファイルを開き、右クリックして[これプレビューvivliostyle preview (Current File)]を選択します。
- あとはフォルダー内(サブフォルダーも含む)でファイルの更新が発生すると、自動的にWebブラウザのプレビューが更新されます。※フォルダー内を監視しているので、VSCode以外でファイルを保存した場合でも更新されます。
- プレビューを停止したい場合は,VSCodeのターミナルをクリックして,Ctrl + C(macOSはcontrol + C)キーを押します。
- 読み込むCSSファイルを指定するには、Markdownファイルの先頭にFrontmatterを書きます。
---
lang: 'ja'
link:
- rel: 'stylesheet'
href: '_css/fullpower.css'
---
この動作はVFM(Vivliostyle Fravored Markdown)の仕様に基づくものです。詳しくは解説ページを参照してください。
https://vivliostyle.github.io/vfm/#/vfm#frontmatter
https://vivliostyle.github.io/vfm/#/ja/vfm
https://github.com/vivliostyle/vfm
現在エディタで開いているMarkdownまたはHTMLファイルをもとに,Vivliostyleを使ってPDFを書き出します。Markdownファイルの拡張子を変えたPDFが,同じ階層に書き出されます。
プレビューを実行している場合は,いったんCtrl + C(macOSはcontrol + C)キーで中止してください。
現在エディタで開いているMarkdownまたはHTMLファイルをもとに,Vivliostyleを使って紙面のプレビューを表示します。
vivliostyle.config.jsに指定したHTMLファイルを連結して,PDFを書き出します。vivliostyle.config.jsは作業フォルダ内のルートに作ってください。
module.exports = {
entry: [
// mdを指定するとMDBPの独自仕様処理が行われない
'intro.html',
'chapter1.html',
'chapter2.html'
],
};
Vivliostyle CLIの仕様ではentryセクションにMarkdownファイルも指定できますが、VFMでのHTML変換しか行われないため、MDBPの独自処理が反映されません。HTMLファイルのみ指定してください。
Markdown変換が必要な場合は,vivliostyle.mdbplist.jsonを記述し,変換したいMarkdownファイル名を列挙してください。vivliostle previewまたはbuildの実行前に,MDBPによるMD→HTML変換がまとめて行われます。
["intro.md", "chapter1.md", "chapter2.md"]
vivliostyle.config.jsに指定したHTMLファイルを連結して,プレビューを表示します。使用方法は連結ビルドと同じです。
InDesignの[構造]パネルで読み込み可能なXMLファイルを書き出します。
Vivliostyle CLI最新版のインストールを行います。ターミナルから以下のコマンドを実行するのに相当します。
npm install -g @vivliostyle/cli
置換リストは_postReplaceList.json
というJSONファイル内に記述します。
以下の置換リストは「@div クラス名」と「@divend」で囲んだ範囲を、div要素に置換します。また、ハイフンで生成する水平線は改ページ指定として処理します。
[
{
"f": "@div:([a-z|0-9 ]+)",
"r": "<div class=\"$1\">"
},
{
"f": "@divend",
"r": "<\/div>"
},
{
"f": "<hr>",
"r": "<hr class=\"pagebreak\">"
},
……後略……
サンプル置換リスト
https://gist.github.com/lwohtsu/7abb3f9e1a1c8e06b600f8ef915a10e7
IT書でスクリーンショットは欠かせません。いちいちグラフィックスソフトでトリミングしたり、拡大縮小率を厳密に指定するのは手間なので、画像ファイル名のあとに簡単な指示を入れることで、指定できるようにしました。
![](sample.png?svgimg=30,180,200,-10,-10)
?svgimg=倍率,横幅mm,高さmm,横シフト量mm,縦シフト量mm
倍率以外のパラメータは省略可能です。幅と高さは省略時なりゆき、シフト量は0となります。
ゲタ文字〓を使用して連番を自動生成できます。
Markdownの記述を簡単にするために、デザイン都合でHTML構造を自動変更する機能を追加しました。h2見出しと直後のp要素を、装飾用の<div:secheader>~</div>で囲むといった操作を行えます。jQueryに似た機能を持つcheerioというライブラリを利用しています。
操作内容は_postManipurate.jsonというファイルに「セレクタ」「メソッド」「パラメータ」を指定する形にしているので、プロジェクトごとに設定変更が可能です。
[
{
"selector": "h1",
"method": "wrapWithNextSib", // h1要素とその次の1要素をdiv.coverpageでラップする(見出しとリード文のグループ化)
"paramator": "<div class=\"coverpage\"></div>"
},
{
"selector": "h2",
"method": "wrap", // h2要素をdiv.secheaderでラップする(h2要素に装飾用のdivを追加)
"paramator": "<div class=\"secheader\"></div>"
},
"selector": "h3",
"method": "wrapAll", // h3要素の直後にある複数のp要素をすべてdiv.col2でラップする(見出しの下の段落を2段組みに)
"paramator": ["p", "<div class=\"col2\"></div>"]
},
{
"selector": "h2",
"method": "dupRunning", // h2要素のテキストを複製してspan.header2という要素を作成する(柱テキストの作成)
"paramator": "<span class=\"header2\"></span>"
},
"selector": "p code",
"method": "addClass", // p要素内のcode要素にinline_codeというクラスを追加する
"paramator": "inline_code"
},
]
コードの前に次の形式で書くと、直後のpre > code内を改行コードで分割し、<span class="codenum-elem">000</span>
を追加する。
###### sampe1.html {.codenumber start-number=15}
`` `
コード
コード
コード
`` `
- VSCode 1.69.0以上
- Node.js v16以上
- 作業フォルダー内にVivliostyle viewerが必要です。- TCP8087ポートを使用します。
XML書き出し時のクラス名のバグを修正
画像のリンク切れ時にメッセージを表示するよう改良
連結プレビュー,連結ビルドを実装
ドキュメントが更新できていなかったので,マイナーアップデート。
大幅変更。vivliostyle CLIに依存する形に変更し,独自のLive Serverを削除。 機能をシンプルにするよう調整。ひとまず「これプレビュー」など最低限の機能を使えるように実装。
連結プレビュー,連結ビルド機能は実装中。
VFMを2.1.0にアップデートし、連番機能を修正
空のp要素をムリヤリ削除する処理を追加。
CLIからPDFを出力する際に、原稿のファイル名をPDFファイル名に使用する
実験的なソースコードの連番機能。
コマンドパレットでオリジナルのMDBPと混同しないようコマンドのカテゴリ名を変更
Vivliostyle CLIを利用したPDF書き出しを追加
プレビュー更新をmdbp-vscode 0.1.5に合わせて修正
最初のリリース
(c)libroworks.co.jp http://libroworks.co.jp/