Chicago Manual of Style 17th edition (full note, short title subsequent)をCSL(Citation Style Language)の拡張版であるCSL-Mに対応させ、文献のlanguage
に従って日本語(ja
)でも表記できるようにするためのCSLファイルです。
- 英文における
,
と.
の代わりに、
と。
を使う - 書籍名や雑誌名をイタリックにする代わりに
『
と』
で囲む - 書籍名や論文名の前に登場する、日本語では不要な
、
(例:著者名、
『書籍名』)を省略する
- LaTeXおよびciteproc-luaと組み合わせて使う
- Jurismにインポートして使う
- Pandocおよびそのフィルターciteproc-js-based-replacerと組み合わせて使う
[
{
"id": "morgan2023jiyu",
"author": [
{ "family": "Morgan", "given": "Casey" },
{ "family": "Patrov", "given": "Alexei" }
],
"citation-key": "morgan2023jiyu",
"event-place": "東京",
"issued": { "date-parts": [[2023]] },
"language": "ja",
"original-date": { "date-parts": [[2022]] },
"original-publisher": "Global Academic Press",
"original-publisher-place": "Chicago, IL",
"original-title": "The Philosophy of Free Will",
"publisher": "城南大学出版会",
"publisher-place": "東京",
"title": "自由意志の哲学",
"translator": [{ "family": "鈴木", "given": "真紀" }],
"type": "book"
}
]
Note
Casey Morgan、Alexei Patrov『自由意志の哲学』、鈴木真紀:訳(東京:城南大学出版会、2023)。〔The Philosophy of Free Will (Chicago, IL: Global Academic Press, 2022).〕
Bibliography entry
Morgan, Casey、Alexei Patrov『自由意志の哲学』、鈴木真紀:翻訳、東京:城南大学出版会、2023。〔The Philosophy of Free Will (Chicago, IL: Global Academic Press, 2022).〕
注:これは架空の文献です。
- citeproc-jsベースのツールで使用する際、日本語に翻訳された文献におけるラテン系の著者名等が
given name
family name
ではなく日本語と同様のfamily name
given name
になってしまう。
Zotero、citeproc-lua
、chicago-fullnote-bibliography-short-title-subsequent-ja.csl
の組み合わせでは対応できない日本語文献特有の問題として、編著(編集者でもあり著者でもある)や監訳(翻訳の監修者)の取り扱いがあります。これらに対して、(やや)トリッキーな記法とPythonスクリプトの組み合わせにより暫定的に解決することができます。
まず、Zoteroで文献情報を入力する際、必要に応じて以下のようにします。
-
著者のうち一部が編著者の場合、「Author」を選択し、最後の編著者に「:編著」を追加します。例:
(last)
鈴木(first)
真紀:編著
-
監訳者の場合、「Translator」を選択し、最後の監訳者に「:監訳」を追加します。例:
(last)
鈴木(first)
真紀:監訳
入力が完了したら、Better BibTeX for ZoteroでCSL用のJSONファイルを出力します。
- (もしまだであれば)Better BibTeX for Zoteroをインストールします。
- コレクションを右クリックし、「Export Collection...」を選択します。
- Formatに「Better CSL JSON」を選択し、ファイルを出力します。
そのままだと、監訳者が「鈴木真紀:監訳:翻訳」のようになってしまうだけでなく、次のような問題があります。
- 共通:
- 書名における区切りなど意図的に入れた半角スペースが無視されてしまう。
- Note(
\cslcitation
タグで始まるセクション):』
の後に不要な、
が入ってしまう。」、『
になるべきところが」『
になってしまう(書籍に収録された論文など書籍の一部の場合)。」{翻訳者名}:訳
となるべきところが」、{翻訳者名}:訳
になってしまう(翻訳論文の翻訳者の場合)。
- Bibliography entry(
\bibitem
タグで始まるセクション):\url
タグで囲まれたURLにタイプライター体が適用されない。
update_bbl.py
は、.bbl
ファイルを書き換えてしまうことにより、これらの問題を暫定的に解決します。使い方は次の通りです。
xelatex example.tex
citeproc-lua example.aux
python3 update_bbl.py example.bbl
xelatex example.tex