Integration Test、いいぞ

#14 【オンライン開催】FukuokaJS - connpass

自己紹介

今日の話

  • Testing Trophy の Integration Test(というか、@testing-library/react)、いいぞ!という話
  • あんまり Integration Test の話をする人が巷に居ない気がしたので、いいぞ!と言いにきました。
  • 巷に溢れている & そんなこと言わなくてもみんなそう思っている場合は、休憩時間としてお使いください

Integration Test とは?

  • 広義では「結合テスト」
  • 狭義(というか今日の発表のスコープ)では、Testing Trophy の Integration Test
  • E2E と違って、API などはモックしてテストする
  • 自分は Jest + jsdom + @testing-library/react でよく書きます

例: Jest + jsdom + @testing-library/react

/**
 * @jest-environment jsdom
 */
import { screen, waitFor } from "@testing-library/react";
import "@testing-library/jest-dom";

// アプリケーションのルートコンポーネント
import { HogeApp } from "./HogeApp";

beforeEach(async () => {
  // jsdomに描画
  screen.render(<HogeApp />);

	// 何か待つ時に使う(後述)
  await waitFor(() => {  });
});

test("…", () => {
  // 要素の取得
  const submitButton = screen.getByRole("button", { name: "送信する" });

  // 描画された内容を検証する(後述)
  
});

要素の取得

get/query/find, getAll/queryAll/findAll

/* 要素がなかった時にエラーを返す or null */
getByRole("button", { name: "…" }); // throw an error
queryByRole("button", { name: "…" }); // null

/* 要素が複数ある時にエラーを返す or 全部取得 */
// throw an error
getByRole("button", { name: "…" }); // throw an error
queryByRole("button", { name: "…" }); // throw an error
// マッチする要素をすべて返す
getAllByRole("button", { name: "…" });
queryAllByRole("button", { name: "…" });

/* 同期 */
getByRole("button", { name: "…" });
queryByRole("button", { name: "…" });

/* 非同期(要素が現れるまで待つ) */
await findByRole("button", { name: "…" });

By*

  • 何を元に要素を探すか
    • ByLabelText, ByPlaceholderText, ByText, ByDisplayValue, ByAltText, ByTitle, ByRole, ByTestId
// "送信する"ボタンを取得
getByRole("button", { name: "送信する" });

描画された内容を検証する

便利な Jest のカスタムマッチャーを提供している@testing-library/jest-domは必須。

import "@testing-library/jest-dom";

// 表示・非表示
expect(dom).toBeVisible();
expect(dom).not.toBeVisible();

// 活性・非活性
expect(button).toBeEnabled();
expect(button).toBeDisabled();

// 他にも色々あるよ

API のモック

@testinng-library/react のExampleで紹介されているのは、msw

import { rest } from "msw";
import { setupServer } from "msw/node";

const server = setupServer(
  rest.get("/greeting", (req, res, ctx) => {
    return res(ctx.json({ greeting: "hello there" }));
  })
);

beforeAll(() => server.listen());
afterEach(() => server.resetHandlers());
afterAll(() => server.close());

自分の場合は、API 呼び出し等を関数化して、その関数をモックするのが好み。

import { fetchSomeData } from "./fetchSomeData";

jest.mock("./fetchSomeData");
const fetchSomeDataMock = fetchSomeData as jest.Mock;
beforeEach(() => {
  fetchSomeDataMock.mockClear();
});

beforeEach(async () => {
  fetchSomeDataMock.mockResolvedValue({});

  screen.render(<HogeApp />);

  await waitFor(() => {
    expect(fetchSomeDataMock).toHaveBeenCalled();
  });
});

test("calls fetchSomeData correctly", () => {
  // 回数
  expect(fetchSomeDataMock).toHaveBeenCalledTimes(1);
  // 引数
  expect(fetchSomeDataMock).toHaveBeenCalledWith();
});

Integration Test のいいところ

  1. セットアップが楽
  2. リファクタが捗る
  3. 安定したテストが書ける
  4. a11y についてちょっと考える機会が発生する

ほとんど、@testing-library/*がよくできているぞという話な気がするが。

1. セットアップが楽

jest, @testing-library/react, @testing-library/jest-dom をインストールするだけ。

$ npm install -D \
	jest \
	@testing-library/react \
	@testing-library/jest-dom

CI 上でも問題なく動く

2. リファクタが捗る

  • 一般的には E2E より実行時間が短いので、
    レッド・グリーン・リファクタリングが回しやすい
  • @testing-library/*がよくできており、
    テストが実装依存になりにくく、リファクタでテストが壊れることが少ない

3. 安定したテストが書ける

3.1 waitForで待つ

// モックが呼ばれるのを待つ
await waitFor(() => {
  expect(mock).toHaveBeenCalled();
});

// 要素が出現するのを待つ
await waitFor(() => {
  screen.getByRole("button", { name: "…" });
});

// 要素が出現するのを待つ その2
await screen.findByRole("button", { name: "…" });

3.2 DOM 上の構造を変更しても大丈夫

  • getByRole や getByText など、DOM の構造に依存しないテストが書けるので、 リファクタでコンポーネントを弄りまくってもテストが壊れにくい

4. a11y についてちょっと意識する機会が発生する

  • テストを安定させるには、なるべく getByRole で要素を取得したいという動機が働く
  • そのためにはセマンティックな DOM 構造が必要
  • 「〜は a11y 的にはどうコーディングするのがいいのかな?調べてみるか」となる

最近、特に「いい!」と思った瞬間

kintone のカスタマイズの Integration Test を書いた時

  • kintone 上に React で作った UI を埋め込む
  • E2E は難しい。手で確認するにもデータを用意するのがだるい
  • kintone の API はモックしつつ、 Integration Test で十分なケースのテストができ、バグもほぼ出なかった
  • モックした部分には Assertion を仕込んでいたので、 想定外のデータが kintone から来ている場合もすぐ気づくことができた
  • リリース後も安心してリファクタできた

E2E 環境を作るのが難しい場合は特に有用かもしれない

Integration Test でカバーできないところ

  • アニメーションのテスト
    • Storybook 等でカバーする
  • jsdom がサポートしていない機能はモックするしかない
  • 本物の API、データベース等を使ったテスト
    • E2E でカバーする
    • GraphQL/Open API などスキーマで担保する
    • Assertion を挿入し、条件を満たしているかチェックする

Integration Test でカバーできないところを頭に入れて、 E2E を減らすことができれば、CI の実行時間が短縮できてよさそう。

まとめ

冷静に整理すると、testing-library が最高という話だった。

  • セットアップが楽ですぐ始めることができる
  • 安定したテストが書けるので、リファクタしやすい

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おわり

ありがとうございました