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ゲームグラフィックス特論 第1回 宿題プログラム

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ggsample01

ゲームグラフィックス特論A 第1回 宿題

OpenGL の開発環境を整備してください。

宿題プログラムの作成に必要な環境

  • Linux Mint 20.2 / Windows 10 (Visual Studio 2019) / macOS 12.1 (Xcode 13) 以降に対応しています。
  • OpenGL 4.1 以降が実行できる環境 (対応した GPU を搭載したビデオカード や CPU) が必要です。
  • macOS では M1 Mac (Apple Silicon) に対応した Universal Binary を作成するようにしています。
  • Raspberry Pi 4B にも対応しました。make -f Makefile.rpi でビルドしてください。

補足

このプログラムを実行すると、次のような図形が表示されます。

このプログラムによる生成画像

  • 今回はソースプログラムを修正していないので送る必要はありません。
  • ひな形プログラムがコンパイル/実行できなかったら知らせてください。
  • fork 推奨ですが解答をプルリクで受け取る気力はないと思います。

宿題プログラム用補助プログラムについて

ゲームグラフィックス特論 A / B で課す宿題プログラムでは、専用の補助プログラムを用意しています。これは以下の 3 つのファイルで構成されています。

  • gg.h / gg.cpp
    • GLFW での利用を想定した OpenGL のローダとユーティリティ
  • Window.h
    • ウィンドウやマウス関連のユーザインタフェースを管理する GLFW のラッパー

GLFWOpenGL や、その後継の Vulkan を使用したアプリケーションを作成するための、非常にコンパクトなフレームワークです。本当はこれだけで簡単にアプリケーションが作れるのですが、授業内容とはあまり関係のない処理を分離するために、屋上屋ながらこの授業専用のフレームワークを用意しました。なお、gg.h / gg.cpp には OpenGL の拡張機能を使用可能にする機能を含んでいるので、別に GLEWgladGL3W などを導入する必要はありません。

また、この Window.h には Dear ImGui をサポートする機能を含んでいます。このプログラム (ggsample01) には、その使い方のサンプルコードを示すために Dear ImGui のソースプログラムも含めています。日本語メニューの表示のために M+ FONTSMplus1-Regular.ttf もリポジトリに含めています。

このほか、この Window.h には Oculus Rift (DK1, DK2, CV1, S) をサポートする機能を組み込んでいます。これを使って、C++ だけで VR アプリケーション () が作れます。

補助プログラムのドキュメント

Doxygen で生成したドキュメントの HTML 版を html フォルダに、PDF 版を pdf フォルダに置いています。

補助プログラムの使い方

補助プログラムを使用するには、最小限、GLFW が使える環境が必要です。ゲームグラフィックス特論 A / B の宿題のリポジトリには Windows 用および macOS 用にコンパイルしたライブラリファイル一式を含めていますので、これらについては宿題のために別に用意する必要はありません。Linux (および Raspberry Pi) では libglfw3-dev パッケージをインストールしておいてください (% sudo apt-get install libglfw3-dev)。gg.h, gg.cpp, Window.h だけを使うときは、それぞれの環境で GLFW をインストールしておいてください。この補助プログラムを使用した最小のプログラムは、多分こんな感じになります。このソースファイルと同じところに gg.h, gg.cpp, Window.h を置き、gg.cpp と一緒にコンパイルして、GLFW のライブラリファイルをリンクしてください。

#include "Window.h"

int main()
{
    Window::init();

    Window window;

    while (window)
    {
        //
        // ここで OpenGL による描画を行う
        //
    }
}

使用する OpenGL のバージョンは、Window::init(major, minor)majorminor で指定できます。major を 0 にするか省略すると、OpenGL のバージョンの指定を行いません。その場合は、macOS 以外では恐らく OpenGL のハードウェアもしくはドライバで対応可能な最大のバージョンが使用されます。なお、3.2 以降を指定したときは macOS 対応の都合で forward compatible プロファイルと core プロファイルを有効にします。macOS の場合は Window::init(3, 2) もしくは Window::init(4, 1) を指定してください。

    // for macOS
    Window::init(4, 1);

Oculus Rift を使う場合

#include "Window.h" の前に #define USE_OCULUS_RIFT を置いてください。DK1 / DK2 用か CV1 / S 用かは、使用する LibOVR のバージョンが 1.0 以前か以降かで判断しています。ただし DK1 / DK2 用 (LibOVR 0.8) のサポートは、今後は継続しない可能性があります。

// ウィンドウ関連の処理
#define USE_OCULUS_RIFT
#include "Window.h"

あるいは、Window.h の中に #define USE_OCULUS_RIFT を置いてください。

// Oculus Rift を使うなら
#define USE_OCULUS_RIFT

実際の使い方は、「Oculus Rift に図形を表示するプログラムを C++ で作る」を参考にしてください。この記事では以前の補助プログラムを使って解説していますが、Window クラスの使い方は変わりません (以前の補助プログラムでは GgApplication クラス内に置いていました)。

Dear ImGui を使う場合

すべての #include "Window.h" の前に、#define USE_IMGUI を置いてください。

// ウィンドウ関連の処理
#define USE_IMGUI
#include "Window.h"

あるいは、Window.h の中に #define USE_IMGUI を置いてください。

// Dear ImGui を使うなら
#define USE_IMGUI

そして、OpenGL の描画ループの中で ImGui::NewFrame();ImGui::Render(); の間に Dear ImGui の API を置いてください。Dear ImGui のウィンドウの実際のレンダリング (ImGui_ImplOpenGL3_RenderDrawData(); の呼び出し) は window.swapbuffers() の中で行っているので、Dear ImGui の API と OpenGL の API は描画ループの中で混在していても構いません。

なお、Dear ImGui を有効にした場合は、Dear ImGui がマウスを使っているとき (io.WantCaptureMouse == true) に、Window クラスが保持しているマウスカーソルの位置を更新しないようにしています。また、Dear ImGui がキーボードを使っているとき (io.WantCaptureKeyboard == true) には、Window クラスはキーボードのイベントを処理しないようにしています。

// ウィンドウ関連の処理
#define USE_IMGUI
#include "Window.h"

int main()
{
  // ウィンドウ関連の初期設定
  Window::init(4, 1);

  // ウィンドウを作成する
  Window window("Window Title", 1280, 720);

  // ImGui の初期設定
  ImGui::StyleColorsDark();

  // 背景色を指定する
  glClearColor(1.0f, 1.0f, 1.0f, 0.0f);

  // ウィンドウが開いている間繰り返す
  while (window)
  {
    // ImGui のフレームを準備する
    ImGui::NewFrame();

    // ImGui のフレームに一つ目の ImGui のウィンドウを描く
    ImGui::Begin("Control panel");
    ImGui::Text("Frame rate: %6.2f fps", ImGui::GetIO().Framerate);
    if (ImGui::Button("Quit")) window.setClose();
    ImGui::End();

    // ImGui のフレームに描画する
    ImGui::Render();

    // ウィンドウを消去する
    glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT);

    //
    // ここで OpenGL による描画を行う
    //

    // カラーバッファを入れ替えてイベントを取り出す
    window.swapBuffers();
  }
}

このソースファイルと Dear ImGui に含まれる以下のファイル、および gg.h, gg.cpp, Window.h を同じところに置き、gg.cpp と以下のうちの *.cpp ファイルと一緒にコンパイルして、GLFW のライブラリファイルをリンクしてください。

imconfig.h
imgui.h
imgui_impl_glfw.h
imgui_impl_opengl3.h
imgui_impl_opengl3_loader.h
imgui_internal.h
imstb_rectpack.h
imstb_textedit.h
imstb_truetype.h

imgui.cpp
imgui_draw.cpp
imgui_impl_glfw.cpp
imgui_impl_opengl3.cpp
imgui_tables.cpp
imgui_widgets.cpp

imconfig.h の変更点

Dear ImGui はバージョン 1.86 から独自のローダを使用するようになったので、IMGUI_IMPL_OPENGL_LOADER_CUSTOM にこの授業オリジナルのローダ gg.h / gg.cpp を指定する必要はありません。ただし、Raspberry Pi では imconfig.h の最後で記号定数 IMGUI_IMPL_OPENGL_ES3 を明示的に定義する必要があります。

// The Raspberry Pi needs to explicitly define the symbolic constant IMGUI_IMPL_OPENGL_ES3. 
#if defined(__RASPBERRY_PI__)
#  define IMGUI_IMPL_OPENGL_ES3
#endif