日本国内における熱中症情報を提供するウェブサイトから、Rで利用可能な形式にデータを読み込む処理を提供しています。
環境省 熱中症予防情報サイトより、熱中症警戒アラート、暑さ指数 (WBGT)の予測値および実況値のデータ取得のための処理を関数化しています。以下のコードを実行することで必要な関数が読み込まれます。
source("R/read_moe_wbgt.R")
read_moe_wbgt()
関数を使い、予測値と実況値の取得を行います。取得対象のデータに応じて、以下のように引数の指定方法が変わります。各データの詳細は暑さ指数(WBGT)予測値等 電子情報提供サービスのページより確認ください。
ダウンロードされたデータを読み込むにはparse_moe_wbgt_csv()
で対象ファイルのパスとファイルの種類を指定します。
予測値を取得する場合、type
引数の値をforecast
に固定します。以下に示すように他の引数との組み合わせにより、取得されるデータが変わります。
read_moe_wbgt(type = "forecast", station_no = "43056")
地点の指定を引数station_no
で与えます。これは5桁の半角数字です。指定可能な841地点については、リポジトリに含めたデータセットから探せます。例えば茨城県つくば市「つくば」のstation_no
は次のコードを実行することで確認できます。
df_wbgt_stations <-
readr::read_csv("data/wbgt_stations2024.csv",
col_types = "cccc")
subset(df_wbgt_stations, station_name == "つくば")
# ダウンロード済みのファイルを読み込む
parse_moe_wbgt_csv("yohou_43056.csv",
file_type = "1-A")
prefecture
引数に対象の都道府県名(ローマ字表記、すべて小文字)を与えます。次の例では「岐阜県」内の全地点の予測値を取得します。
read_moe_wbgt(type = "forecast", prefecture = "gifu")
# ダウンロード済みのファイルを読み込む
parse_moe_wbgt_csv("yohou_ibaraki.csv",
file_type = "1-B")
全地点での発表されている予測値を一度に取得するにはtype
以外の引数を指定せずに実行します。
read_moe_wbgt(type = "forecast")
# ダウンロード済みのファイルを読み込む
parse_moe_wbgt_csv("yohou_all.csv",
file_type = "1-C")
実況値は過去のデータになります。予測値と同様に地点、都道府県、全地点の単位で取得しますが、期間を選ぶオプションがあります。これは2022年4月からの各月を、YYYYMMの形式で指定します。例えば2022年4月であれば「202204」となります。また実況値は、特定の地点に関してはその実測値を求めることが可能です。
実況値の取得は、データの種類を問わずread_moe_wbgt(type = "observe")
としてください。また、予測値と同じくparse_moe_wbgt_csv()
を使うことでダウンロードされたファイルの読み込みにも対応します。
read_moe_wbgt(type = "observe", station_no = "43056", year_month = "202404")
# ダウンロード済みのファイルを読み込む
parse_moe_wbgt_csv("wbgt_43056_202404.csv",
file_type = "2-A")
2024年のみ
read_moe_wbgt(type = "observe", prefecture = "gifu", year_month = "202404")
# ダウンロード済みのファイルを読み込む
parse_moe_wbgt_csv("wbgt_gifu_202404.csv",
file_type = "2-B")
2024年のみ
read_moe_wbgt(type = "observe", year_month = "202404")
# ダウンロード済みのファイルを読み込む
parse_moe_wbgt_csv("wbgt_all_202404.csv",
file_type = "2-C")
特定の11地点については実測値のデータ取得が可能です。read_moe_wbgt()
ではstation
引数にローマ字(頭文字のみ大文字)で対象の地点名を与えて実行します。
read_moe_wbgt(type = "observe", station = "Osaka", year_month = "202405")
# ダウンロード済みのファイルを読み込む
parse_moe_wbgt_csv("Osaka_202405.csv",
file_type = "2-D")
source("R/moe_alert.R")
df <- read_moe_alert(2024)
# 発表時間ごとに1行分のデータに変換
alert_to_long(df, 2024)
消防庁 熱中症情報より、「熱中症による救急搬送人員に関するデータ」のエクセルファイルとして提供される過去データ(平成20年~令和5年)を読み込む関数があります。
source("R/read_fdma_heatstroke.R")
# 月別に分かれたシート番号を指定して読み込む
read_fdma_heatstroke("heatstroke003_data_r4.xlsx", sheets = 1, nest = TRUE)
# ファイル中のすべての月を一つにまとめて読み込む
read_fdma_heatstroke_all("heatstroke003_data_r4.xlsx")
厚生労働省が行う人口動態調査から、熱中症に関する死亡数をまとめた「人口動態統計」のデータを扱います。
対象年は2015年から2021年です。熱中症による死因を「X30 (自然の過度の高温への曝露)
」と見なし、その場所・性別・年齢別での集計値を取得します。
# このコードを実行するとcsvファイルが生成されます
source("data-raw/vital_stats.R")
readr::read_csv("data-raw/vital_stats_hs_mortality.csv", col_types = "cccii")
- 熱中症予防情報サイトからのデータ提供は2024年10月23日までとなります。
- 各データの詳細、利用に関しては、データ提供ページに掲載された情報を参考にしてください。
コードのライセンスはMITです。